ぎっくり腰を繰り返すのはなぜ?痛みが落ち着いた後に考えたいこと|恵比寿・広尾

「ぎっくり腰になるのは今回で3回目」
「痛みは落ち着いたけれど、また前かがみになるのが怖い」
「そのたびに施術を受けているけれど、これから何をしたらよいのかわからない」
ぎっくり腰を繰り返していると、今の痛みだけでなく「また突然痛くなるのではないか」という不安が残ることがあります。
ただし、ぎっくり腰を繰り返す理由を「姿勢が悪いから」「筋力が弱いから」「骨盤がずれているから」と一つに決めることはできません。
痛みが落ち着いてきた段階では、現在どこまで日常生活へ戻れているのか、動くことへの不安は残っていないか、仕事や運動の負荷はどうか、必要に応じて身体の動きや筋力なども確認しながら考えていくことが大切です。
現在ぎっくり腰を発症した直後の方へ
「今どう動けばよい?」「病院へ行ったほうがよい?」「温める?冷やす?」「ストレッチをしてよい?」など、発症直後の対処については、ぎっくり腰(急性腰痛)の症状ページで詳しく解説しています。
このような方に読んでいただきたい記事です
- ぎっくり腰を何度も経験している
- 痛みが落ち着いても腰を動かすのが怖い
- 前かがみや荷物を持つ動作を避けている
- 仕事へ戻ったあとに腰の不安が残っている
- コルセットがないと不安になる
- 痛くなるたびに施術を受けているが、その後何をすればよいかわからない
- 自分に合った運動やセルフケアを知りたい
ぎっくり腰を繰り返す理由は一つではありません
一般的に「ぎっくり腰」と呼ばれているものは、急に起こった強い腰痛を表す通称であり、一つの病気や一つの原因を示す名称ではありません。
腰の関節、椎間板、筋肉、腱、靱帯など、さまざまな組織が関係している可能性があります。
さらに、実際の生活では身体の状態だけでなく、仕事量、活動量、睡眠、運動習慣、過去の腰痛への不安など、さまざまな背景があります。
そのため、ぎっくり腰を繰り返しているからといって、「ここが悪いから再発する」と原因を一つに決めつけることはできません。
大切なのは、その方が現在どのような状態にあり、何に困っているのかを整理することです。
痛みが軽くなったことと、生活に戻れたことは同じではありません
ぎっくり腰の強い痛みが落ち着いてくると、「もう治ったから大丈夫」と考える方もいます。
一方で、痛みは軽くなったものの、次のような状態が残っていることがあります。
- 前かがみになるのを避けている
- 床にある物を取るのが怖い
- 荷物を持てない
- 長く座ることを避けている
- 運動を再開できていない
- 腰をかばって身体を固めて動いている
このような場合は、「痛みがあるかないか」だけではなく、仕事や家事、スポーツなど必要な活動へどこまで戻れているかを見ることも大切です。
「また痛くなりそう」という不安も確認します
何度もぎっくり腰を経験すると、「腰を曲げたらまた痛めるかもしれない」「重い物を持つのが怖い」と感じることがあります。
痛みが強いときに身体を守ることは自然な反応です。
しかし、症状が落ち着いたあとも必要以上に動作を避け続けている場合には、本来必要な活動へ戻る機会が少なくなることがあります。
だからといって、「怖くても無理に動けばよい」という意味ではありません。
現在できる範囲を確認しながら、負担の小さい動作から少しずつ試し、「これはできる」「この程度なら大丈夫」という経験を増やしていくことを考えます。
痛みが落ち着いた後に確認したいこと
当院では、ぎっくり腰を繰り返している方について、腰だけを見るのではなく、必要に応じて身体の動きや生活背景を確認します。
日常生活へどこまで戻れているか
まず確認したいのは、身体の細かな左右差よりも、患者様が実際に困っている動作です。
- 寝返り・起き上がり
- 椅子から立ち上がる
- 歩く
- 前かがみになる
- 靴下や靴を履く
- 床にある物を取る
- 荷物を持つ
- 長時間座る
- 仕事やスポーツを行う
「何ができないのか」「どこまでならできるのか」を確認すると、これから取り組むことが整理しやすくなります。
股関節の動き
前かがみや物を持ち上げる動作では、腰だけでなく股関節も動きます。
そのため必要に応じて股関節の動きを確認しますが、「股関節が硬い=ぎっくり腰の原因」と判断するわけではありません。
股関節の使い方を少し変えたときに、動きやすさや不安感がどう変化するかまで確認します。
胸郭や身体をひねる動き
胸郭は胸椎・肋骨・胸骨からなる胸まわりの部分です。
振り向く、腕を伸ばす、荷物を横へ動かすといった動作では、腰だけでなく胸郭や股関節なども一緒に動きます。
必要に応じて、身体をひねったときの動き方や左右差を確認します。
筋力や体幹の使い方
「腹筋が弱いからぎっくり腰になる」と単純に考えることはできません。
一方で、仕事やスポーツへ戻るために必要な筋力が十分か、荷物を持つ場面でどのように身体を支えているかを確認することはあります。
その方の生活や目標に合わせて、必要な運動の強さを考えます。
活動量や仕事の負担
身体だけでなく、生活の状況も確認します。
例えば、長時間のデスクワークが続いている、急に運動量を増やした、忙しく身体を動かす時間が減ったなど、発症前後で活動量が変化している場合があります。
「姿勢が悪かったから」と決めるのではなく、実際の生活の中で調整できることがあるかを一緒に考えます。
さくま整体院(接骨院併設)が大切にしている評価
当院では、最初の評価だけで「原因はこれです」と決めることを目的にしていません。
まずお話を伺い、実際の身体の動きや困っている動作を確認します。
そこから、「この動きが関係している可能性がある」「この方法を試すと変化するかもしれない」という仮説を立てます。
そして、施術や運動を行ったあとにもう一度同じ動作を確認します。
評価 → 説明 → 実践 → 反応確認 → 再評価
実際に試した結果を確認しながら、必要であれば考え方や方法を修正します。
患者様にも身体の状態をご説明し、「何のためにこれをするのか」を共有したうえで進めることを大切にしています。
施術だけで終わらず、必要に応じて運動につなげます
状態に応じて、手技療法や物理療法などを選択することがあります。
ただし、機器を使うことや筋肉をほぐすこと自体を目的にはしていません。
施術前後で、立ち上がり、前かがみ、歩行などがどのように変化するかを確認します。
症状が落ち着いてきたら、患者様の生活や目標に合わせて運動も取り入れます。
手技療法についても、腰痛では運動などを含む治療・管理の一部として考えることが重要とされています。
どのような運動をするの?
すべての方に同じ「ぎっくり腰予防体操」を行うわけではありません。
評価結果や目標に応じて、例えば次のような運動を選ぶことがあります。
- 無理のない範囲で歩く
- 股関節を使って前かがみになる練習
- 椅子から立ち上がる練習
- 呼吸をしながら体幹を支える練習
- 胸郭や股関節を動かす運動
- 荷物を持つ動作の練習
- 仕事やスポーツに合わせた筋力トレーニング
重要なのは、運動の名前ではなく、「何のためにその運動をするのか」と「行ったあとに身体がどう反応したか」です。
前かがみになるのが怖い方へ
ぎっくり腰を経験したあと、前かがみになる動作そのものを避けている方もいます。
痛みが強い時期に無理をする必要はありませんが、症状が落ち着いてきたら、必要に応じて少しずつ動きを取り戻していくことを考えます。
例えば最初は、壁や椅子を支えにして股関節を曲げる練習から始め、問題がなければ少しずつ可動範囲を広げます。
その後、軽い物を拾う、荷物を持つなど、実際の生活に近い動作へ進めていきます。
いきなり重い物を持つのではなく、身体の反応を確認しながら段階的に負荷を調整します。
荷物を持つことが不安な方へ
「腰を痛めたから、もう重い物を持ってはいけない」と考えてしまう方もいます。
しかし、仕事や育児では荷物を持つ必要がある方も少なくありません。
その場合は「持たない」という方法だけではなく、必要に応じて持つ重量、身体との距離、持ち上げる速度、股関節や膝の使い方などを確認します。
患者様が実際に必要としている動作へ戻ることを目標に、できるところから練習します。
セルフケアは「続けられること」を大切にします
セルフケアも、たくさん行えばよいわけではありません。
仕事や家事が忙しい方に、毎日何種類もの運動を続けることが負担になる場合もあります。
そのため、まずは現在の状態で必要と考えられるものを絞り、実践したあとの反応を確認します。
長時間同じ姿勢が続く方
特定の「正しい姿勢」をずっと維持することより、長時間同じ状態が続いている場合には、途中で身体を動かす機会を作ることを考えます。
仕事の状況に合わせて、立つ、少し歩く、姿勢を変えるなど、無理なく行える方法を探します。
歩くことから始める
運動から離れていた方は、必ずしも最初から筋力トレーニングをする必要はありません。
体調と症状を確認しながら、短時間の歩行など取り組みやすい活動から始めることも一つの方法です。
自宅での運動は反応を確認する
運動中に強い痛みが出る、脚の症状が強くなる、運動後も症状が大きく悪化した状態が続く場合には、いったん中止して方法を見直します。
「決められた回数を必ず行う」より、現在の身体に合っているかを確認することが大切です。
再発予防とは「二度と痛くならないこと」を保証するものではありません
腰痛はさまざまな要因が関係するため、「この運動をすれば二度とぎっくり腰にならない」と言うことはできません。
当院で考える再発予防は、痛みを絶対に起こさない身体を作ることではありません。
自分の身体の状態を知り、必要な運動や活動を続け、もし腰に違和感が出たときにも「今の状態では何をすればよいか」を自分でも判断しやすくすることを大切にしています。
そのためにも、患者様と一緒に身体の反応を確認しながら方法を考えていきます。
急にまた腰が痛くなった場合
ぎっくり腰を繰り返している方でも、「前回と同じだろう」と決めつけないことが大切です。
特に、転倒や交通事故後の強い痛み、脚の急激な筋力低下やしびれ、排尿・排便の異常、発熱を伴う場合などは医療機関での確認を優先してください。
今回のぎっくり腰について、発症直後の対処や受診目安を確認したい方は、症状別ページをご覧ください。
腰痛について全体的に知りたい方へ
ぎっくり腰だけでなく、以前から腰痛が続いている、座っていると腰がつらい、慢性的に腰の不調を感じている方は、腰痛の症状別ページも参考にしてください。
よくある質問
Q. ぎっくり腰を繰り返すのは筋力不足が原因ですか?
筋力が関係する場合はありますが、筋力不足だけが原因とは限りません。
身体の動き、活動量、仕事内容、運動習慣、過去の腰痛への不安なども含めて確認します。
Q. 腹筋を鍛えれば予防できますか?
腹筋運動だけですべてのぎっくり腰を予防できるとは言えません。
その方の状態や生活に合わせて、体幹、股関節、歩行、持ち上げ動作など必要な運動を考えます。
Q. 痛みがなくなってから運動を始めたほうがいいですか?
必ずしも「痛みが完全にゼロになるまで何もしない」と考える必要はありません。
重大な症状がなく、身体の状態を確認したうえで、できる活動から少しずつ戻していく場合があります。
Q. 毎回同じ場所が痛くなります。そこが原因ですか?
同じ場所に痛みが出るからといって、その場所だけが原因とは限りません。
痛む場所だけでなく、どのような動作や生活状況で症状が出ているのかも確認します。
Q. 何回くらい通えばよいですか?
症状の状態、日常生活で困っていること、目標などによって異なります。
最初から回数を決めつけず、評価と施術・運動後の反応を確認しながら相談していきます。
「またぎっくり腰になるのでは」と不安な方へ
痛みが落ち着いても、前かがみや荷物を持つことが怖い、仕事や運動へ戻ることに不安があるという方もいらっしゃいます。
さくま整体院(接骨院併設)では、痛い場所だけで原因を決めるのではなく、現在困っている動作や生活背景を伺いながら身体の状態を確認します。
何をすればよいかを一方的に決めるのではなく、評価結果をご説明し、実際に方法を試しながら身体の反応を一緒に確認していきます。
関連記事
参考文献・参考情報
- 日本整形外科学会「ぎっくり腰」
- Mindsガイドラインライブラリ「腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)」
- NICE「Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management」
本記事は、ぎっくり腰を繰り返す方に向けた一般的な情報を提供するものであり、個別の診断を目的としたものではありません。症状が強い場合や普段と異なる症状がある場合は、医療機関へご相談ください。
監修者情報
佐久間裕二
さくま整体院(接骨院併設)院長
理学療法士・柔道整復師
症状名や痛む場所だけで判断せず、これまでの経過、生活で困っていること、身体の動きなどを確認しながら施術や運動を考えています。
自身も交通事故による大けが、手術、長期的なリハビリを経験し、現在も身体の評価を続けながら運動療法とセルフケアに取り組んでいます。
患者様にも身体の状態や評価結果をできるだけ分かりやすくお伝えし、相談しながら方法を選択することを大切にしています。



