腰痛になると太もも(表・裏)が痛くなる(しびれ?筋肉痛?)みたいになるのはなぜ?|さくま整体院(接骨院併設)

腰痛になると太もも(表・裏)が痛くなるのはなぜ?
──しびれ?筋肉痛?部位によって原因はまったく違います──
「腰が痛いのに、太ももの表や裏まで痛くなる・しびれる」
「これって筋肉痛なのか、神経なのか分からない…」
こういったお悩みで来院される方はとても多いです。
実は、太ももの“表側”の痛みと“裏側”の痛みでは、原因がまったく違うことをご存じでしょうか?
原因が違うということは、当然ながら「対処法・治し方」も変わってきます。
この記事では、理学療法士の資格を持つ院長が、腰痛と太ももの痛みの関係を専門的な視点から分かりやすく解説します。
「自分の症状は表タイプか?裏タイプか?」をチェックしながら読み進めてみてください。
■ 太ももの「表側」が痛くなる理由
① 腰痛で体幹に力が入らなくなる
腰痛になると多くの方は、無意識のうちに体幹(お腹まわり)に力が入らなくなり、腰をかばった動きになってしまいます。
本来、体幹は
- 上半身と下半身をつなぐ「土台」
- 骨盤や背骨の位置を安定させる
- 歩く・立つ・座る動作でブレーキをかける
といった重要な役割を担っています。
ところが腰が痛くなると、
- お腹に力を入れるのが怖くなる
- 骨盤が後ろに倒れ気味(後傾)になる
- 背中が丸くなる・前かがみになる
このような状態になり、体幹の仕事を太ももの前が代わりにやらされてしまうのです。
② 膝が曲がった歩き方で太ももの前に負担集中
腰痛の方に多いのが、
- 膝が軽く曲がったままの歩き方
- 小股でトコトコ歩く
- 身体全体を前に倒して、太ももの前でブレーキをかける歩き方
このような歩き方になると、
本来は「体幹+お尻+太ももの裏」でバランス良く支えるはずが、
太ももの表(大腿四頭筋)だけに負担が集中します。
その結果、
- 太ももの前がパンパンに張る
- 立ち上がりや階段で前ももが痛む
- 長く歩くと太もも前だけが疲れる
といった「筋肉の使いすぎによる痛み」が出やすくなります。
③ 太ももの表に出やすい症状の特徴
- 張る・重だるい・つっぱる感じ
- マッサージすると「イタ気持ちいい」
- 押すと筋肉のコリをはっきり感じる
このタイプは、神経のしびれというより、「体幹が使えないことで太ももの前が過剰に頑張っている」サインと考えたほうが良いケースが多いです。
■ 太ももの「裏側」が痛くなる理由
一方で、太ももの裏側の痛みやしびれは、表側とはまったく原因が違います。
① ヘルニア・狭窄症などの「神経症状」が関わることが多い
腰からは「坐骨神経」という太い神経が出ており、
お尻 → 太もも裏 → ふくらはぎ → 足先 へとつながっています。
この坐骨神経が、
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 変形性腰椎症
などによって圧迫・刺激されると、
お尻から太もも裏にかけて、ビリビリ・ジンジンといった神経特有の痛みやしびれが出ることが多くなります。
② お尻の筋肉(梨状筋)による神経圧迫
腰椎だけでなく、お尻の奥にある「梨状筋」という筋肉が硬くなることで坐骨神経を圧迫し、太もも裏に痛みやしびれが出るケースもあります。
これを「梨状筋症候群」と呼びます。
③ 太もも裏に出やすい症状の特徴
- ビリビリする・電気が走る感じ
- ジンジン・ヒリヒリとした痛み
- お尻から太もも裏、ふくらはぎまで症状がつながる
- 長く歩くとしんどくなり、少し休むとまた歩ける(間欠跛行)
このような症状は、筋肉痛ではなく「神経症状」である可能性が高いため、
自己判断で強いストレッチや無理な運動を行うと悪化することもあります。
■ 「表」と「裏」でここまで違う!原因の整理
| 部位 | 主な原因 | 症状の特徴 |
|---|---|---|
| 太ももの表(前もも) |
・腰痛で体幹が使えない ・膝が曲がった歩き方で前ももが頑張りすぎる ・大腿四頭筋のオーバーワーク |
・張り、重だるさ、つっぱり感 ・筋肉痛に近い痛み ・マッサージで楽になりやすい |
| 太ももの裏(ハムストリングス周辺) |
・椎間板ヘルニア ・脊柱管狭窄症などの神経圧迫 ・梨状筋症候群(お尻での坐骨神経圧迫) |
・ビリビリ・ジンジンするしびれ ・お尻〜ふくらはぎまで症状がつながる ・長く歩けない・休むと少し楽になる |
つまり、
太ももの「表の痛み」は体幹が働かず筋肉に負担がかかっている状態、
「裏の痛み」は神経症状が関わることが多いと言えます。
■ 対処法も「表タイプ」と「裏タイプ」でまったく違います
● 太ももの表タイプ(筋肉の使いすぎ)
このタイプでは、
- 体幹(インナーマッスル)を正しく使えるようにする
- 骨盤の角度を整え、反り腰・猫背を改善する
- 股関節の動きを出し、前ももに頼らない動きにする
- 膝が曲がった歩き方を修正する
といった「身体の使い方を変えていくアプローチ」がとても重要になります。
ただもみほぐすだけでは、その場しのぎになりやすいのが特徴です。
● 太ももの裏タイプ(神経症状がメイン)
こちらのタイプでは、
- 腰椎やお尻まわりの神経の圧迫を減らす
- 炎症が強い時期は無理に動かしすぎない
- 梨状筋など深部筋の緊張を安全にゆるめる
- 必要に応じて整形外科でMRIなどの画像検査を行う
など、「神経を守りながら回復を促すアプローチ」が大切です。
強すぎるストレッチや刺激の強いマッサージは、かえって悪化させることもあります。
■ よくある質問(Q&A)
Q. 太ももが痛いだけでも、腰から来ている可能性はありますか?
A. はい、あります。
特に腰痛の既往歴がある方や、お尻から太ももにかけて症状がつながる方は、腰や骨盤まわりからの影響を疑ったほうが良いケースが多いです。
Q. 痛みがあっても運動したほうがいいですか?
A. 「表タイプ」の筋肉の張りであれば、適切なストレッチや体幹トレーニングが有効なことが多いです。
ただし「裏タイプ」でビリビリするしびれがある場合、自己判断での過度な運動はNGです。
Q. どのタイミングで整体や整形外科に行ったほうが良いですか?
A. 目安として、以下のような場合は早めの受診をおすすめします。
- お尻〜太もも〜ふくらはぎまで強いしびれがある
- 夜眠れないほど痛い
- 力が入りにくい・足がもつれる
- 症状が2週間以上続いている
■ まとめ:表か裏かで「見るべき場所」と「治し方」が変わります
- 太ももの表側の痛み:体幹が使えず、前ももが頑張りすぎているサイン
- 太ももの裏側の痛み・しびれ:ヘルニアや狭窄症など、神経症状が関わることが多い
「とりあえず太ももだけをもみほぐす」のではなく、
どこが原因で、どのタイプの痛みなのかを見極めることが根本改善への第一歩です。
さくま整体院(接骨院併設)では、
理学療法士としての評価と、整体・運動療法を組み合わせて、
腰・骨盤・股関節・体幹のバランスをトータルでチェックしながら施術を行います。
■ 恵比寿周辺で「腰痛+太ももの痛み」でお悩みの方へ
「表の張りなのか?」「裏のしびれなのか?」
ご自身で判断するのが難しい場合は、一度専門家にご相談ください。
・病院で「とりあえず様子を見ましょう」と言われた方
・湿布や痛み止め、電気治療だけでは良くならない方
・根本的に動き方・姿勢から改善したい方
は、ぜひ一度ご相談ください。
腰痛や太ももの痛み・しびれでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
▶ お電話でのご予約・お問い合わせ:03-6277-4052
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※強い痛みや麻痺・排尿障害などがある場合は、まずは整形外科・専門医を受診してください。



